日本ではスイスフランはあまりFXで取引されていないようですが、世界的に見れば非常に多くの取引が行われています。その理由は安全通貨として位置づけられているからです。「有事のスイスフラン買い」や「スイスフランは金より硬い」などと言われることもあるくらい安全性が高いと考えられています。つまり、どんなことが起こってもスイスフランを持っておけば何とかなるという意味です。
例えば日本円を考えてみると、日本の財政がうまくいかなかったときには極度の円安になる可能性があります。このようなときに日本円を持っていても価値は薄れると言えるでしょう。ドルの場合も同じで、世界の金融システムが危機的な状況になると、ドルは一気に売られて価値が下がると考えられるのです。スイスフランが安定している理由は永世中立国であるからと言われることもありますし、また世界中の多くの資金がスイスの銀行に眠っているからだと言われることもあります。
このようなことがあって、FXではリスクの高い相場になってくるとスイスフランが買われる傾向があります。例えばユーロ圏の金融システムに不具合が生じたり、銀行の破綻が懸念された場合などには、資金を安全なところへ移動させようという動きが強まり、スイスフランが買われる傾向があります。ちょうどリスクオフの時の円高に似ているところがあります。スイスフランも主要通貨ですから、FXで取引をする対象としては適しています。